昨日に引き続き3球スーパーラジオキットの作製です。
改造点
①選択度の改善
オリジナルのIFTを取り外し、セラミックフィルタ(CFG-455G、-6dB8kHz;-60dB20kHz)を使用しました。もとのIFTのインピーダンスが60kΩに対してセラミックフィルタは1.5k~2kΩとかなりミスマッチです。
①選択度の改善
オリジナルのIFTを取り外し、セラミックフィルタ(CFG-455G、-6dB8kHz;-60dB20kHz)を使用しました。もとのIFTのインピーダンスが60kΩに対してセラミックフィルタは1.5k~2kΩとかなりミスマッチです。
この問題の解決にトランジスタ用のIFTを使用しました。トランジスタ用の検波段IFTの一次、二次の巻き数が154:35で、二次側に1.5k~2kΩのセラミックフィルタを接続した場合、一次側のインピーダンスが約30~40kΩとなり使用に耐えそうです。
ただしトランジスタ用のIFTには耐圧の問題があってそのままでは使用できず、220pFのコンデンサーでプレート電圧をカットし、また20mHのRFCをプレート負荷として(455kHzでは約60kΩ)挿入しました。調整はトランジスタ用IFTのコアをまわし最大感度に合わせるだけです。
効果のほどは・・・
心配された感度低下もほとんどなく、バッサリと隣の局が切れます。改造前は1143(KBS京都)に押され1179(MBS)さえ分離できませんでしたが、セラミックフィルタ装着後1179はもちろん1170の韓国の日本語放送がすっきりと聴きとれるようになりました。
上にPERSEUSでの測定結果を示します。通過帯域は-3dBで10.8kHz(-6dBでは11.5kHz)減衰帯域は-50dBで18.5kHz(-60dBでは27.6kHz)でした。
上にはトリオの中間周波トランスT-6の減衰特性図を示します。-3dBの通過帯域が6kHzで±10kHz(20kHz)の減衰帯域が31.5dBです。これをご覧いただけければこのラジオの音の良さ、選択度の良さをご理解いただけると思います。
ただし多少の問題もあって910kHz(455×2)でループ発振を起こしているのが確認できました(改造前にもあったのかもしれませんがそれを確認できるレベルの選択度ではなかった)。
後日ループ発振については6BE6と6BA6に外部シールドを装着、6BA6のカソード抵抗を75⇒150Ωに変更、またセラミックフィルタへの配線を短くし若干ましにはなりました(909のNHK名古屋第二が聞き取れるレベルになった)。
②誘導ハム対策
ACラインフィルタを入れればいいのでしょうが手元になく、電源トランスの一次側パラに0.1uFを2個直列に入れ中点をアースに落し簡易型のフィルタとしました。簡単な回路ですが誘導ハムは聞こえなくなりました。
③バリコン減速器
選択度がよくなるとバリコンをダイレクトにまわしているのでは選局がクリティカルです。1:7の減速器(バーニアダイアルの内部にあたるもの)をバリコンとダイアルの間に入れました。細かな選局が楽になりました。これに気をよくしてCADを用いて目盛を作製、8cmCDに張り付けダイアル目盛としました。
③バリコン減速器
選択度がよくなるとバリコンをダイレクトにまわしているのでは選局がクリティカルです。1:7の減速器(バーニアダイアルの内部にあたるもの)をバリコンとダイアルの間に入れました。細かな選局が楽になりました。これに気をよくしてCADを用いて目盛を作製、8cmCDに張り付けダイアル目盛としました。
改造後の使用感
現在外部スピーカーを接続しています。いい音です。真空管らしい柔らかな音でかつ高音もすっきりとしています。
セラミックフィルタ-の通過帯域はカタログ上8kHzとされていますが、実測してみると10-12kHzで、また50dBの減衰帯域も20kHzはとれており、両側のチャンネルから多少強い局に挟まれたとしてもきっちりと同調を取ればビートの発生もありません。
東芝の5球スーパーとの比較でも受信性能は互角ですし、豊かな中低音に十分な高音が加わり快適な音質です。
電源のハム音やまたスーパー特有のコンバーターノイズもほとんど気にならなく非常に静かな受信機です。
問題点は周波数安定度の悪さで、600-800kHz程度の低い周波数はまだいいのですが1000kHz以上では電源をONにしても前日に合わせていた局が同じように聞こえてくることはありません。その後30分間は受信周波数がどんどんずれていきます。局発に温度補償コンデンサーを使用すればいいのでしょうが最近では入手困難で手をつけていません。
以下に今回改造を行った回路図を示します。
「Wコールがききたくて」総合索引へ
以下に今回改造を行った回路図を示します。
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こんばんは。
返信削除初めまして。takinxです。
製作フィルターの特性が見事ですね。
真似てもよろしいでしょうか?
takinxさま
返信削除いつも作製記事を拝見また勉強させていただいており感謝しています。
一報も入れずにリンクをはりご迷惑をおかけいたしました。本日リンクに関するコメントに気付き解除いたしました。
フィルター周りの回路についてはどうぞご使用ください。
なお周波数変換後の負荷用RFCは4-10mHでも十分かと思います。以前4mHを使用した際にも感度変化はありませんでした。
今後ともよろしくお願いいたします。
こんにちは。
削除リンクはOKですので、貼っておいてくださいませ。
私自信 プロの電気エンジニアではありませんので、 間違いが多々ありご迷惑をおかけしていると思います。
半田コテを持っていると落ち着くので、 手早く仕上がるものを中心にしています。
真空管ラジオキットをつくりはじめてから、
「電源トランスも熱平衡になるまでは、電圧が暴れている」ことに気つきました。
ラジオの分野は 奥が深いですね。
takinxさま
返信削除リンクの件、順序が逆になったにもかかわらずご承諾いただきありがとうございます。
「電源トランスの熱平衡」もご教示ありがとうございます。局発の周波数安定には温度保障コンデンサーよりスタビロの使用が有用なのかもしれませんね。
takinxさまの記事にならってコンバーターを6BE6→5915に交換したところゲインがあがった印象です。またブログ記事上には書いていませんがIF-AMPを6BA6→6DC6に交換しまた少しゲインが取れたような印象でもあります。
前回のRFCの件ですが20mH→4mHでも同じように聞こえはしたものの若干利得は低かったような印象であったことを追加報告させて頂きます。
いろいろと示唆にと富んだコメントをお寄せいただきありがとうございました。
こんばんは。
返信削除3球ラジオで検索して見させていただきました。
大変興味があります。
ただ、初心者ですので、分からないところがありますが、何とか同じものを製作させて頂きたいと思っています。よろしくお願い致します。
mko
itoh mino mkoさん
返信削除大変お返事が遅くなり本当に申し訳ございません。先ほどようやくコメントいただいているのに気が付きました。
3球ラジオはほんとにお面白いです。構造が単純でいろいろとさわりたくなります。
完成のあかつきにはよろしければご感想などいただけれ大変うれしいです。
今度はコメント見逃さないようにきをつけますので…
ここにたどり着きました。久しぶりに真空管ラジオを作りました。同じ回路ですが局発がトロイダルコイルの物を作りました。周波数が安定しないのでホトホト困りましたが、6BE6のグリッドにかかるAVC電圧を切ると安定しました。周波数変換と局発を一本で行うとこういうことなのか、それともトロイダルコイルの問題なのでしょうか。また、見させていただきます。
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