2014年9月20日土曜日

奥穂高岳日帰り登山(うらばなし)

重太郎新道から天狗岩、ジャンダルム、奥穂高岳を望む
 
先週の週末に日帰りで奥穂高岳に登ってきました。その記録は先日のブログで書きました。
 
今日のブログではそこで書かなかった裏話を少々。
 
まずは私の山歩きの履歴から。
 
10代に山歩きを始めました。当初は京都北山、比良山など。そのうち夏の北アルプスの縦走や春(積雪期)の立山を登ったり、比良山での沢登をやったり(滝つぼに落ちたりも)。
20代はハイキング程度に夏の立山縦走や乗鞍岳、また春スキーの立山(一ノ越-東一ノ越-タンボ平)に行ったくらいでその後は山歩きとは縁遠い生活を送ってきました。
 
転機は今年の1月。takinxさんとのちょっとしたやり取りで「無性に高い山に行きたい!」との衝動にかられ春頃から裏山(京都西山)へ山歩きの勘を取り戻すべく毎週のように出かけるようになりました。また職場で私より一回り若い方が槍ヶ岳、奥穂高岳、剣岳へのそれぞれ日帰り登山をされた話(奥穂に至ってはこのシーズン3回の日帰りをしておられる)を聞かされたことも山歩き再開の原動力となりました。

裏山での山歩きである程度の手ごたえは感じていたものの加齢による体力低下がどの程度のものかがつかめず、まずは家内を連れて白山で試してみました。山が小さいこともあってかなり余裕をもって登れ、また標準コースタイムからどの程度短縮できるかが把握でき、北アルプス(出来れば奥穂高岳)へのはずみとなりました。
白山日帰り登山(お池めぐりと砂防新道ピストン)

9月になり天気予報とのにらめっこの日々が続きます。9月10日に週末の天気がよさそうだとの予報があり最終的に9月13日の奥穂高岳登山を決定しました。奥穂高岳を選んだのは北アルプスの最高峰であり、また30年前にあちこち登った山の記憶から奥穂には山登りの面白さが凝縮されている印象が強かったためです。

9月13日から9月15日にかけての連休は北アルプスでは記録的な混雑があったようです。槍の穂先往復に5時間、穂高岳山荘から奥穂への取り付きに2時間(最後尾はザイテングラードまでつながったとか)、剣でもカニの縦バイ2時間半などととんでもない待ち時間だったとか。9月13日の重太郎新道では渋滞こそ発生しなかったものの以前の「閑散として1人黙々と歩く」というイメージから程遠く、まるでザイテンを登っているかの如く多くの登山客とすれ違い、また追い越していきました。

当初登り5時間30分、下り4時間30分を予定していましたが帰ってきてGPSデータ(登りの一部はデータ欠損あり推定が含まれます)を見れば登り4時間46分、下り3時間47分と混雑したなか予想を上回るペースであったのには1人ニンマリとしています。

登りの頂上間近では脚をつりました。これも想定範囲内でその対策として芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)を持参しました。この漢方薬の入手には医師の処方箋が必要ですがトライアスロンの選手の間では有名な薬のようで着替えの場所には空袋がいくつも捨ててあるとか。内服して数分~10分ほどで効果でます。今回も昼食と一緒に一服し脚つりは10分ほどで治まりました。

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2014年9月14日日曜日

奥穂高岳日帰り登山(重太郎新道ピストン)

上高地からみた夜明けの岳沢、吊尾根、奥穂高岳
 
2014年9月13日奥穂高岳に登ってきました。週末の天気がよさそうだとのことで9/10(水)に急きょ思い立ち、家内の許可を得て9/12(金)の宿(飛騨高山のホテル)を予約しました。諸般の事情で今回は家内ぬきの単独行です。
 
9/12(金)は半日有給休暇をいただき13時に帰宅。荷支度をして14時過ぎに京都を出発しました。京都縦貫道-京滋バイパス-名神高速-東海北陸道-高山清美道路を経由し17時過ぎホテルにチェックイン。早速ホテルの大浴場で汗を流し夕食をとりアルコールを引っ掛け21時前には就寝。
 
9/13(土)は2:40起床。おにぎり、インスタント味噌汁、パン、コーヒーとガッツリと朝食を取って3:40にはホテルをチェックアウトしました。
 
国道158号線を走り平湯温泉のアカンダナ駐車場に着いたのは4:30頃でしたが連休のためか駐車場入り口ではすでに渋滞が発生。しばし待って駐車場に入場し身支度を整え、バスの乗車券を購入後バスの行列に並んだのは4:50頃でした。
 
バスの時刻表では始発は5:20とありましたがあまりの人の多さに5時過ぎには第一便が出発、私は5:10頃の第二便に乗ることが出来ました。上高地には5:45ころの到着。
 
早朝の上高地バスターミナル
 
上高地バスターミナルでは多くの登山客が思い思いに登山の準備をしています。
 
面白いのはトイレの大行列。通常女子トイレの行列はあちこちで良く見かける光景ですが、ここでは男子トイレに長蛇の列が出来ています。みなさん大きいほうなんでしょうね。バスターミナルから河童橋の間に別のトイレがありますがそちらは空いていました(といってもトイレの建物の外に行列がなく、中で2-3人が並んでいる程度)。
 
バスターミナルで登山届けを提出し5:55上高地をスタート。
 
穂高、岳沢登山口
 
バスターミナルから河童橋を渡り約10分ほど梓川を上流へ向け歩いていくと岳沢への登山口の看板があります。ここからが登山のスタートです。登り始めは樹林帯を歩きます。勾配は急ではありませんが足場がごろごろ。足慣らしのためゆっくりと歩きます。同じような道を1時間ほど歩くと岳沢のガレの上方に岳沢小屋が見えてきます。小屋の手前で岳沢を渡り7:35岳沢小屋に到着しました。
 
岳沢小屋から見上げる間ノ岳、天狗の頭
 
岳沢小屋で冷たい水を頂きすぐに出発します。ここからが本格的な登りの始まりです。岳沢を再度対岸へ渡りテント場を過ぎると勾配が急になってきます。ハシゴを上がりガレ場を登っていきカモシカ立場を過ぎる頃からすばらしい景色が見え始めます。
 
 重太郎新道から明神岳
正面に乗鞍岳、御岳。右には焼岳 。左奥には恵那山
西穂高岳、間ノ岳、天狗ノ頭方面
重太郎新道の上方を見上げる
 
雷鳥広場をすぎハシゴ、3連クサリ場を過ぎると紀美子平に到着。ここで水分補給と小休止です(9:25-9:31)。紀美子平からは上高地、乗鞍、御岳方面、また奥穂高~西穂高~焼岳の絶景が広がります。
 上高地、焼岳、乗鞍岳、御岳山
 西穂高岳-奥穂高岳の国内最難関縦走路
吊尾根から奥穂高岳
 
吊尾根を奥穂高岳へ向け歩き出します。小さなアップダウンが続き吊尾根の最低鞍部を過ぎたあたりから前穂高岳の北尾根、涸沢が見えてきます。
 
 吊尾根最低鞍部から前穂高岳と北尾根を振り返る
涸沢方面を覗き込む
奥の山並みは左から大天井岳、常念岳、蝶ヶ岳。
 
ここからあとがとてもきつかった!紀美子平で5分の休憩を除けば上高地からほぼノンストップ。呼吸も上がっていますが脚に結構きています。手足を使って岩場、クサリ場を登っていると脚はすぐにつってしまいます。それでもなんとかふんばって最後のクサリ場を過ぎると奥穂高岳の山頂がみえました。もうすぐです。脚がいっぱいいっぱいで片足はつったまま。だましだましゆっくりしか歩けません。
 
 最後のクサリ場を過ぎ奥穂南稜から奥穂高岳山頂を望む;あと少し!
 奥穂高岳山頂
 
やっとの思いで10:41奥穂高山頂に到着。上高地を出発して約4時間45分で奥穂高岳の頂上に立つことができました。ここで休憩。昼ごはんにコンビニおにぎりを3個食べました。
 
今回奥穂から槍ヶ岳を見たくて登ってきたわけですが、あいにくどんどん雲が上がってきたため槍の全体像は見れず。頂上での20分の休憩中カメラから手を離さず槍ヶ岳(があると思われる方向)を見つめていましたが、ベストショットは下の写真。槍の穂先が一瞬見えた程度でした。残念!
 
奥穂高岳山頂から槍ヶ岳、涸沢岳、北穂高岳を望む
 
山頂での休憩時に脚のつりは多少おさまったものの芍薬甘草湯を内服し下りに備えました。
 
山頂を11:00に出発。紀美子平12:09(~12:14)-岳沢小屋13:30(~13:33)-登山口14:32-上高地バスターミナル14:47と無事に下山。
 
岳沢の下りは30年ぶりでしたが登山者の数が劇的に増えているのには驚きました。また今回は高齢者や女性が非常に多かったのが印象に残っています。
 
14:30のバスに乗りたくで急いで下山しましたが間に合わず14:55頃の臨時便のバスで平湯に向かいました。
 
上高地バスターミナルからバスが走り出し数分もしないところで先発の14:30のバスが乗客を乗せたまま停車していました。どうやら自転車との接触があったようでもめています。私を乗せたバスは何事もなかったように先発のバスを追い越していきました。14:30のバスに間に合わなかったのは神様のおぼしめし?
 
15時半頃に平湯温泉のアカンダナ駐車へ到着し、着替えをして、またここでもまた芍薬甘草湯を一服のんで16時前に京都へ向け走りだしました。運転中に脚をつることもなく行きと同じ経路で自宅にたどり着いたのは20時前でした。今回は本当に疲れました。
 
コースタイム
上高地バスターミナル                           5:55
岳沢小屋                               7:35-7:36
紀美子平                               9:25-9:31
奥穂高岳山頂                               10:41-11:00
紀美子平                            12:09-12:14
岳沢小屋                              13:30-13:33
登山口                               14:32
上高地バスターミナル                          14:47
 
GPSデータ
累積標高差     1884m
沿面距離         16.18km
所要時間         8時間52分