2018年7月26日木曜日

NRD-515がやってきた!④

 整備後エージング中のNRD-515

NRD-515の整備を行いました。
以下の問題点に対して現時点で対応可能な対策を施し自己採点では85点。

問題点は

①受信周波数が約1kHzずれる。
②AM受信の際に「キーン」とビート?内部スプリアス?が聞こえて耳障り。
③SSB、CWでキャリアポイントがずれている。
④時にSメーターが+20dBほど振れて受信不能となる。
⑤BFO&BC TUNE、ΔFのつまみが純正でない。
⑥受信感度若干低い、特にSSB受信で著明。
⑦長時間電源をOFFにしているとkHzのPLL情報がリセットされる。

です。

先日いろいろ検索していてWRTH1982年版のNRD-515の記事を読みました。問題解消のヒントが書かれていました。

①~③については製造後比較的早い時期に生じるPLLのずれが原因のようで、取扱説明書にも詳しく調整方法が書かれているのはそのためのようです。
⑦についてはそもそも設計当初からVFO情報を保持するキープアライブ機能がないとのこと。TP35にバックアップバッテリー(3-4.5V)を取り付ける事によりVFO情報を保持できるようになるとのことでした。

またWRTHには書かれていませんが検索結果から
④についてはVFOの切り替えリレーの接触不良。
(⑤は対策済み)
⑥は2.4kHzの国際電気のメカニカルフィルター(MF-455-10AZ121)の劣化(内部スポンジの劣化による固着)が原因だとか。


まずは前回不首尾に終ったPLLについて再度調整を行います。今回はPERSEUSを使用して調整しました。

PERSEUSを立ち上げて10MHzの標準電波を受信しキャリブレーションを取ります。その後はマニュアルに従って10MHzの基準周波数、PBTの5MHz、ΔFの38MHz、BFO回路と調整を行いました。70MHzについてはPERSEUSでは測定困難なため中国製のデジタルオシロスコープを使用しました。

今回は調整は1回ではなく、スーパーラジオのトラッキング調整のようにそれぞれのステップを繰り返しておこないました。一度合わせても再度の調整では微妙なずれが生じている事もあり、ずれがなくなるまで調整を数回繰り返しました。

 チェックポイントにプローブを接続しているところ
 10000.000kHz調整中

今回の再調整により①~③の問題はほぼ解消されました。前回は調整が甘かったのが不首尾の原因のようです。

次いでリレーの接触不良について対策を行います。NRD-515には5個のリレーが使用されていますが私の個体には4個が密封型、1個が開放型のリレーが取り付けられていました。問題なのは開放型のリレーで、これがVFOの切り替え用として使用されています(後期のロットではすべて密封型のリレーが取り付けられているとのこと)。

カバーを取り外し、リレー接点をブロー後接点回復剤を綿棒に染ませてクリーニングを行いました。
これによりこれまで1日に数回は生じていた接触不良がここ2日全く起きていません。根本的な対策にはリレー交換が必要ですが今回はこれで様子を見ることにします。

 VFO(内部/外部)切り替えリレー(上蓋を外した状態)

続いて国際電気のメカニカルフィルターのクリーニングを行いました。2.4kHzのメカニカルフィルターと6kHzのセラミックフィルターではSメーター読みで1目盛り違います。

国際電気のメカニカルフィルターMF-455-10AZ 121はディスクワイヤー方式のメカニカルフィルターでメタルケースの内部にトランスデューサー、共振子がスポンジに包まれて位置しています。

スポンジの劣化(特に共振子の下のスポンジ)が共振子の振動を制限して損失が大きくなるとか。メカニカルフィルターを取り外し、内部を洗浄後再度NRD-515に取り付けました。

 MF-455-10AZ 121 内部スポンジはボロボロです
 MF-455-10AZ 121 クリーニング後
 
メカフィルの洗浄後は損失もほぼなくなり、Sメーター読みでもセラミックフィルターと同等(0.1目盛りほど低い)となりました。
 
最後に中波帯(0.6-1.6MHz)の5dBの減衰器(ATT)を解除しました(R5,R6を取り外しジャンパーの取り付け)。当地はさほど強電界域ではないのでATT解除後もMW受信でお化けの発生もなく感度アップを体感できました。


中波帯の5dBATT(減衰器)

VFO情報のキープアライブ機能についは次回に報告予定です。

2018年7月17日火曜日

NRD-515がやってきた!③


先日やってきたNRD-515ですがいくつかの不具合がありましたが、さらに新たな問題点が見つかりました(⑦が追加)。

①受信周波数が約1kHzずれる。
②AM受信の際に「キーン」とビート?内部スプリアス?が聞こえて耳障り。
③SSB、CWでキャリアポイントがずれている。
④時にSメーターが+20dBほど振れて受信不能となる。
⑤BFO&BC TUNE、ΔFのつまみが純正でない。
⑥受信感度若干低い、特にSSB受信で著明。
⑦長時間電源をOFFにしているとkHzのPLL情報がリセットされる。

このうち①~③については先日マニュアルに従ってPLLの調整を行ったところ一旦は改善したことは先日のブログに紹介させていただきました。

ところが翌日電源を入れてみると、もとのように周波数がずれてキーンとビートが聞こえてくるではありませんか。再びPLLの調整を行うと一旦は「改善」するものの、その後電源を落とししばらくして電源を入れるとまた症状が再発します。

ただしキーンというビートに関しては電源をONにして時間がたつと気にならなくなります。周波数ずれについてもPLLの調整を繰り返すことにより改善されてきてはいます。

また新たに前述の問題⑦にも気が付きました。長時間電源を切っていた後に電源をONにした場合、kHz台の情報がリセットされ”000.0kHz"と表示されてしまいます。DIGITAL VFOの情報を長時間保持できないようでPLL系のハードの異常が示唆されます。

単に調整だけすれば改善するような個体ではないようで、このまま自分でトラブルシューティングをしていくのか専門の業者さんにお願いするのか悩ましいところです。

ところで不具合の⑤については何とかツマミを入手することができました。ブログトップの写真は入手した純正品のツマミを付け替えて撮影したNRD-515です。ただこの写真の515もデフォルトの状態とは微妙に違います。それでも我が家にやってきた当初の違和感はかなり改善されました。

つづく

2018年7月16日月曜日

仙丈ヶ岳登山 2018年7月14日

 仙丈ケ岳と藪沢カール
 
2018年7月14日に仙丈ケ岳に登ってきました。
前日の7月13日(金)は夏季休暇をとり昼過ぎに京都を出発、いつもの大原野ICから京都縦貫道、京滋バイパス、名神、中央道と走り16時過ぎに伊那のホテルに前泊しました。
 
 2018年7月14日(土)午前5時過ぎの仙流荘バス停

7月14日は午前3時30分に起床。がっつりと朝食をとりホテルを出たのが4時30前。仙流荘の駐車場には5時ころ到着しました。すでに駐車場は満車状態。駐車場スタッフが駐車場内の片隅に何とか止められそうなところに案内してくれました。身支度をしていざバス停へ。

バス停周辺には長蛇の列。乗車券販売の列とバス待ちの列との二つの行列があります。噂には聞いていたのですが5時半の第一便に乗るには4時過ぎから並ばないとダメだとか。

乗車券販売の列へは家内が、バス待ちの列には私がと別々に並んだのが5時5分頃。並び始めてしばらくすると第一便のバスへの乗車が始まり、5時10分頃には1台目が発車。その後次々とバスがやってきては発車していきます。

バス待ちの列はどんどん進んでいきますが、乗車券の列はなかなか進みません。乗車券のない状態でどぎまぎしなら待つこと30分ほど、私の前20人ほどで行列の進行が止まりました。仙流荘側にあった10台(だったと思う)のバスはすべて北沢峠へ向け出払ってしまい、次のバスは峠から戻ってくる6時半ごろとのこと。

この時点でもまだ家内は乗車券が買えていません。乗車券が買えたのはさらに20分ほどが経過した6時過ぎのことでした。

6時10分には峠から1台目のバスが戻ってきました。いよいよこのバスの乗れるのか!と思えばそうではありません。広河原まで行かれる方が優先的に乗車され(バス乗り継ぎの関係で)、私たちが乗れたのはさらに2台あと6時25分頃でした。

 北沢峠の道標

北沢峠には7時15分に到着。トイレを済ませて7時20分に登山開始です。登り始めは樹林帯を歩きます。斜度もさほど急ではなく歩きやすい登山道です。

 大滝頭(まっすぐ進めば小仙丈、右へ進めば馬の瀬)

歩き始めから約1時間10分(8:28)で五合目の大滝の頭につきました。まだ樹林帯なので視界は開けません。水分補給をしてまっすぐ小仙丈ケ岳へ向け進みます。

大滝の頭から15分ほど登ると木々の合間から甲斐駒ヶ岳が見えるようになりました。迫力満点で手が届きそうです。さらに10分ほどすると左手に鳳凰三山、さらには富士山が見えてきます。

 甲斐駒ヶ岳
 鳳凰三山
 富士山

9時前に森林限界を超えました。辺りが一挙に明るくなり視界が開けます。左手に北岳も見えてきます。

 森林限界を超えました
 右手に北岳、左手雲の向こうに富士山

9時10分に小仙丈ケ岳につきました。雲がどんどん上がってきますがまだ富士山も見えています。仙丈ケ岳の頂上方面も視界良好です。

小仙丈ケ岳から鳳凰三山、富士山を望む
仙丈ケ岳と小仙丈沢カール

気持ちのいい稜線をどんどん歩いていきます。小仙丈ケ岳から仙丈ケ岳までの稜線は360度のパノラマが広がります。この景色を見たくてやってきたんです!

頂上まであと少し
仙丈ケ岳山頂

10時過ぎに(10:03)頂上へ着きました。山頂からの眺めは最高です。雲が上がってきて富士山は見えなかったのですが、北アルプス方面が非常に良く見えて槍、穂高はもちろんのこと剣、立山さらには白馬三山までしっかりと見ることが出来ました。

鋸岳と甲斐駒ヶ岳
鳳凰三山
北岳と間ノ岳(雲の合間にちょっとだけ富士山)
北アルプス
この写真では槍、穂高から剣、立山まで見えています。
 
山頂で写真をとりそうそうに仙丈小屋へ向け下り始めます。15分ほどで仙丈小屋に着きました(10:19)。ここで約20分の昼食休憩です。
 
ここでも目の前には駒ヶ岳、鋸岳、北アルプスの展望が開けています。
 
仙丈小屋から藪沢カール、仙丈ケ岳を見上げる

10:40に下山開始。馬の背ヒュッテを11:08に通過。藪沢を渡渉し藪沢小屋を過ぎてしばらく行くと雪渓に出くわしました。よく見ると踏み跡すぐ横に穴が開いています。

まず体重の軽い家内に歩いてもらいます。何ともないのを確認して私も恐る恐る歩いていきました。踏み抜くことなく渡れました。

雪渓に穴が・・・それも踏み跡のすぐ横に

その後も快調に下っていき12:38に北沢峠に下山しました。12:48の臨時バスに乗って仙流荘バス停に13:30頃到着。
帰りのバスの中から見た甲斐駒ヶ岳
 
行きと同じ道を走り、途中黒丸PAでチャンポンを食べ18時過ぎに帰宅しました。あー楽しかった。




2018年7月10日火曜日

NRD-515がやってきた!②

 NRD-515とNDH-515

一昨日やってきたNRD-515ですがしばらく使い込んでみるといろいろと不具合に気が付きました。

①受信周波数が約1kHzずれる。
②AM受信の際に「キーン」とビート?内部スプリアス?が聞こえて耳障り。
③SSB、CWでキャリアポイントがずれている。
④時にSメーターが+20dBほど振れて受信不能となる。
⑤BFO&BC TUNE、ΔFのつまみが純正でない。
⑥受信感度若干低い、特にSSB受信で著明。

おおよそ上記の6点がその問題点です。

ブログトップの写真はNRD-515とメモリーユニットNDH-515の写真ですが、氏が35年前にインプットしたと思われるチャンネルの一部を表示しています。その他のメモリーでも1kHz低い周波数が表示され当時から①の問題は生じていたのでしょう。

①、②、③についてはなんとなくPLLの調整不良かなぁ?と素人ながら感じるところがあり、取扱説明書の保守点検の項目に従ってオシロ片手に整備を行いました。

第2局部発信器70MHzの調整中

PLLのそれぞれのチェックポイントで微妙に周波数がずれており、規定の周波数に調整後は①~③の不具合については解消できました。

④、⑤、⑥についてはまた後日。

2018年7月8日日曜日

NRD-515がやってきた!①

 NRD-515、外部スピーカ、メモリーユニット

みなさんご無沙汰しています。
4月7日の投稿を最後にちょうど3か月ブログのアップを滞っておりました。


仕事が忙しかったわけでもなく、体調が悪かったわけもでありません。毎週末には日課のジョギングを行って、たまには山にも行ったりしたのですが、心に響くものがなくブログを書こうと思わなかったのでした。


7月3日火曜日の朝LINEがありました。中学高校の同級生からでした。手持ちの受信機その他を処分したいので興味ありませんか?とのこと。もちろん興味ないわけありません。すぐさま返信し7月8日に自宅に来ていただくこととなりました。

彼の実家には今から40年ほど前、何度かお邪魔しましたが、シャックにはそうそうたる受信機が並んでいました。NRD-515、FRG-7、RF-2200、9R-59DSなどなど。

このうちFRG-7、NFG-505は35年ほど前に安価にお譲りいただき、当時の愛車RG-250E(単車)の後部シートに縛り付けて私の実家に持って帰ったのでありました。その後彼とはごくたまに連絡を取っていましたが直接顔を合わせるのは5年ぶり。

あらかじめお宝の写真は送ってもらっていましたが、実際に目で見て触れてみてあらためて40年前の記憶、感動がよみがえってきました。当時彼の実家での彼の一語一句もついこの間のように思い出されました。

その中でも一番の関心はNRD-515です。NRD-515、外部スピーカ、メモリーユニットのフルセット!

自宅ベンチで動作確認します。周波数ずれ、内部スプリアス、ガリなどありますがおおむね動作しています。受信感度もNRD-545と比較し若干低いものの全バンド受信OK、メモリーユニットも動作しており、各チャンネルも彼が40年ほど前にインプットした周波数が見事に表示されました。

月刊短波1981年4月のNRD-515の広告

上の写真は月刊短波1981年4月号のNRD-515の広告とNRD-515本体。この短波には彼の受信報告が2件載っていました。

受信機の整備はこれからぼちぼちとやって行こうと思います。