2020年5月20日水曜日

RD-9830(プリセレクティブアンテナカップラ)

 RD-9830(プリセレクティブアンテナカップラ)

今回はRD-9830ナショナルのBCL用プリセレクティブアンテナカップラの紹介です。

その昔、中学高校時代にRF-2800やR-1000でBCLを楽しんでいたころにはとてもお世話になりました。

RD-9830はLC共振回路にFET(2SK49)2石使用の高周波増幅回路を加えた能動型のアンテナカップラーです。入力信号は約20dB増幅され、ゲインコントロールで+20dB~-40dBの調整が可能です。

受動型アンテナカップラーのRD-9810と比べ、同調点に合わせると信号強度が「ぐわ~ん」と大きくなり、微弱で不明瞭な信号はしっかりと、そこそこの強度で受信できる局も受信音に厚みが出て使っていてとても満足感の高い機器でした。

ただし写真に提示したものは中学高校の同級生から頂戴した2台目のRD-9830で、今から40年以上前に購入した初代のRD-9830は現在はキョウトAA347局のもとにありますが、プリアンプの不具合のため非常に熱を持ち動作しません。

今回撮影のため2台目のRD-9830を取り出し動作チェックしてみると、同調回路やアンプの動作はするものの直結(ダイレクト)にしても挿入損失(約40dB)があり、プリアンプを通しても入力信号より減衰されて出力することが判明しました。

マッチングスイッチのチェック中
 
調べてみるとマッチングのセレクトスイッチで損失が生じておりその後の回路には問題は無いようでした。そこで先日セレクトスイッチのクリーニングを行いました。
スイッチをばらししているところ
スイッチクリーニング後
これまたスイッチのクリーニング後
 
マッチングスイッチのクリーニングにより損失はなくなり普通に動作するようになりました。昔のように「ぐわ~ん」と信号が強くなりますが、ALA1530LNPを使用している現在は相互変調波ばかり増えてありがたみは無いように感じました。
 

 定 格

電      源:  電池:UM-3タイプ×4 6V
受  信  周  波  数:  150kHz ~410kHz
                                   530kHz ~1.4MHz
                                   1.4MHz ~3MHz
                                   3MHz  ~6MHz
                                   6MHz  ~13MHz
                                  13MHz  ~30MHz
端       子:   平衡型アンテナ用
                                  不平衡型アンテナ用
                                  受信機接続用
付  属  品:  受信機接続リード線、乾電池4個
寸     法:  265(幅)×57(高さ)×127(奥行き)mm
重     量:  1.35kg(乾電池含む)

2020年5月10日日曜日

RD-9810(ナショナルアンテナカップラー)

 ナショナルのBCLラジオと周辺機器

今日は自宅にある昭和のナショナルBCLラジオとその周辺機器を並べて撮影してみました。

RF-2200(クーガー2200)
RF-2800(プロシード2800)
RD-9580(VHFテレビサウンドコンバーター)
RD-9600(デジタル周波数カウンター&マーカー)
RD-9810(BCL用アンテナカップラー)
RD-9830(BCL用プリセレクティブアンテナカップラー)
TE61(ナショナルオーディオタイマー)
が写っています。

この中でRF-2200、RF-2800、RD-9600については以前に紹介させていただいていますので、今回はRD-9810 BCL用アンテナカップラーについて紹介させていただきます。

 RD-9810(ナショナルアンテナカップラー)

RD-9810はクーガー2200のイメージ混信を改善するため販売された外付けの同調回路です。

クーガー2200は短波帯(4MHz~28MHz)を6分割した、第一中間周波1985kHz、第二中間周波455kHzとしたダブルスーパー受信機です。

通常は2つのバンドには2つの局部発信が必要ですが、部品点数を削減するため、1つの局部発信を共用し、上側ヘテロダイン、下側ヘテロダインで2つのバンドを受信できるようにしています。

このため奇数と偶数の隣り合ったバンド(SW1とSW2、SW3とSW4、SW5とSW6)で30kHzずれたイメージ混信が盛大に確認されます。

本来ならクーガー2200に内蔵されるべき同調回路(プリセレクター)だと思われますが、コストや操作性の問題などからおしゃれなオプションとして販売されたのではないかと愚考しています。

RD-9810背面
 
背面にはバランス型アンテナ、アンバランス型アンテナの入力端子とハイインピーダンス、ローインピーダンスの出力端子が用意されています。

定格
受信周波数        0.5~1.6MHz
           1.6~3.4MHz
           3.4~7MHz
           14~30MHz
端子(アンテナ側)    BLANCED
                                       UNBLANCED
   (ラジオ側)  LOW IMP
                   HIGH IMP
キャビネット寸法   幅122×奥行97×高さ188mm
重量         800g