2015年12月26日土曜日

TDDF (Twisted Double Delta Flag) Antennaの経験

 今年(2015年)4月にシエスタ氏がアンテナ・技術掲示板に「TDDF(Twisted Double Delta Flag)の実験について.pdf」をアップされました。1週間限定での公開でしたのでその原文を目にすることはなかったのですが追試された皆さんの評判が非常に良いことから先日(2015年11月21-22日)のびわ湖ペディションで遅ればせながらTDDFアンテナを試してみることにしました。

 -TDDFアンテナとはどんなアンテナか-
図1 TDDFアンテナ模式図
 図1に今回設置したTDDFアンテナの模式図を示します。2つのデルタ型のループがねじれた状態で連結しており給電部にマッチングトランス、遠位端には終端抵抗を設置します。
 ペディションで通常使用するビバレージアンテナでは終端抵抗側に鋭い指向性を有しますがTDDFアンテナでは指向性がビバレージとは逆になり給電点側にフロントゲイン、終端抵抗側にはNullが現れます。
 今回は26mのエレメントを2本使用し給電点の地上高0.5m、アンテナのトップが5.8m、給電点から終端抵抗までは21mとなりました(立木やエレメントの長さの関係で中途半端な数字となっています)。

 -TDDFアンテナの特性(DFアンテナと比較して)-
図2 DFアンテナとTDDFアンテナのシミュレーション結果
 DF(Delta Flag)アンテナとTDDFアンテナの特性の違いをアンテナ解析ソフトMMANAでシミュレーションしました。図2に1200kHzでのDFアンテナとTDDFアンテナの計算結果を提示します。
 アンテナ特性を計算するにあたってアンテナ形状は同じサイズのDFアンテナを2個ならべたものをTDDFアンテナとしました。それぞれのアンテナで最良のFB比が得られる終端抵抗の値が異なるためDFアンテナで470Ω、TDDFアンテナでは1300Ωで計算を行っています。
 計算結果からはDFアンテナではカルディオイド型(ハート型)を呈し半値角は160度。対してTDDFアンテナではウチワのようにやや両サイドがやや切れるようなパターンとなり半値角も100度と指向性が鋭くなります。
 またTDDFアンテナで打ち上げ角がDFアンテナの37度から30度と低下し、FB比が19.5dBから22.8dBと改善しています。
 利得の面ではDFアンテナの-37.4dBiに対してTDDFアンテナは-46.6dBiとさらに約10dB低下します。アンテナ面積は2倍になるので利得が増加しそうなものですが位相が打ち消され指向性が向上する反面絶対利得は低下するのでしょうか。

-実際の架設状況-
 図3 TDDFアンテナ給電部から
図4 TDDFアンテナ終端抵抗から
 図3、図4に今回のびわ湖ペディションでの架設状況を示します。宿舎前の湖岸から約50m東北東の松林内に北東(45度)向きに設置しました。
 アンテナの架設には5本の杭が必要ですが、今回は立木や既存の杭を使用したため3本の木製杭(径30mm全長100cm)を打ち込みました。アンテナマストには魚釣用のタモ網の柄(全長6.3m)を使用しました。グラスファイバー製を推奨されますが入手困難(あっても高価なため)で安価(3000-5000円程度)なカーボンロッドを用いています。
 アンテナエレメントが分かりやすいように架設には黒と赤の0.75sqのコードそれぞれ約26mを用いました。アンテナエレメントは地面から少なくとも0.5mは離します。また同軸ケーブルはアンテナ面に対して垂直になるように給電しました。
 終端抵抗はシミュレーターによるとTDDFアンテナで0.8-1.3kΩ前後でFB比が良好となるようで、できれば可変にしたかったのですが時間がとれなく970Ωの固定としました。
 引き込みには5D2Vを75m用いました。同軸ケーブルとアンテナ給電部には16:1あるいは25:1のバランが必要となりますが今回は以前FLAGアンテナ用に購入したWellbrook社のFLG100(無印)を使用しました。
 FLG100(無印)にはハイインピーダンスマッチ回路と利得18dBのトランジスタアンプが内蔵されています。現行品のFLG100LNでは利得23dBのFETアンプへと変更されているようです。

 -受信してみて-
 利得が低いこともあるのでしょうが非常にノイズレベルの低いアンテナです。
 現地で聴いた限りS/Nや信号強度はNsさんの200mビバレージとはほぼ同等、またCOLさんの300mビバレージと比較しても多少劣るものの弱い信号を拾う能力についてはいい勝負をしているとの印象でした。
 一方で差がでたのはやはり指向性の点。1700kHzのESPNの受信時に1650-1710kHzに出ている妨害電波がお二方のビバレージと比べTDDFではより強く入感していました。
 当初心配していたゲイン不足についてはFLG100のおかげで実用上十分なレベルでした。ただしアンプの電源を落とすと18dBの恩恵がなくなりMWからSW全域でかなり厳しい状況となります。
 個人的感想ですがMWからSWローバンドの受信状況を☆で評価すると(ALA1530は昨年春のペディでの使用感)

300mビバレージ   ☆☆☆☆☆ 
200mビバレージ   ☆☆☆☆3/4
TDDFアンテナ      ☆☆☆☆1/2
ALA1530               ☆☆☆

-その他思いつくまま-
 以前COLさんがK9AYアンテナを紹介されて以降一時期EWE、FLAGなどカルディオイド指向性を有するループアンテナに興味を感じていました。その後のペディションでDFアンテナを試したものの期待したほどの効果が得られず一旦は興味が薄れてしまいます。
 転機は今年5月。シエスタ氏が4月に公開されたTDDFの記事の評判を目にしたことです。原本にはお目にかかっていませんが文字通りDFアンテナを一ひねりした形状で皆さんの評判が非常にいい。
 ただしTDDFアンテナで検索してみましたがヒットするのは国内のものばかり。いろいろと調べてみるとどうやらAA7JV氏が2009年に開発されたDHDL(Double Half-Delta Loop)アンテナがそのご先祖様のようで、直接的には2014年にMark Durenberger氏が発表されたDouble-Delta/"D-KAZ"アンテナの類縁にあたるようでした。
  ミュレーションしてみると2本のFLAGアンテナをアレイにしたような指向性で、混合器や大きな設置場所を必要とせずアンテナ形状の変更だけでその特性を得られるとのことでいつかはチャレンジしてみたいと思っていました。
  以前DFアンテナを試した時にはビバレージとの格の違いを感じていましたが今回経験したTDDFアンテナでは受信性能、特に弱い信号を拾い上げる能力についてビバレージアンテナにせまる特性があるように感じました。利得が低いことと指向性が鋭くなったことがノイズ軽減に一役買っているものと考えられます。
 ビバレージアンテナの性能についてはみなさんの異論のないところだと思いますが設置に要する敷地の問題があり日本で使用しようと思っても場所やビーム方向にかなりの制約が出てきます。この点でTDDFアンテナではサイズもコンパクトで設置場所の制限が緩和され、またビーム方向の自由度も格段に上がります。
 ただ今回の経験で気になる点もあります。湖岸の限られたスペースにビバレージを含め3本のアンテナを架設したためTDDFアンテナの終端抵抗近くを300mと200mの2本のビバレージアンテナが通過していたことです。ビバレージの干渉によりTDDF本来の性能以上に過大に評価されている可能性も否定できないからです
 今後のペディションではビバレージのアンテナエレメントを意識した設置場所の選定、混信局を避けるビーム方向の検討や終端抵抗の可変化などに取り組んでいきたいと思います。

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2015年11月23日月曜日

JRC NRD-345

2015年秋のペディションでお目にかかったNRD-345
 
一昨日、昨日(2015年11月21-22日)と久しぶりにびわ湖ペディションに参加してきました。今回は参加3人と少人数の会でしたが気候も穏やかでゆったりとした休日を楽しむことができました。
 
写真はNS氏がご持参されたJRCのNRD-345です。以前から気になっていた受信機で今回少しお時間をいただいてさわらせていただきました。

中波帯のATTはそのままとのことでしたが200mビバレージで1700kHzのESPNを聞く範囲では一緒にお持ちになられたNRD-545となんらそん色ない受信状況でした。

AMモードの受信音がいいように感じます。長時間聞いても疲れれない音です。NRD-535のAMのようなこもった感じでもないですしNRD-545のような角張った感じでもなく非常に耳になじむ音質です。

選択度はワイドがCFW455IT(4kHz/-6dB)、ナローがCFJ455K5(2.4kHz/-6dB)の2種類。多くの受信機でワイドの設定はCFW455HT(6kHz/-6dB、18kHz/-50dB)が使用されるなか、4kHzのフィルターを使用したNRD-345は個人的には非常に好感が持てます。

455HTだと中波帯はいいのですが短波帯で5kHzセパレートで両サイドに強力な局が来た場合ビートが必発で聞き苦しいですが、455IT(15kHz/-50dB)では短波帯でもほとんどビートの発生がありまん(他にはAR-7030で使用されています)。

ときどきオークションにも出品されていて出物があればとは思います。

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2015年11月1日日曜日

ナンキンハゼの紅葉

自宅近くの街路樹(ナンキンハゼ)の紅葉

自宅周辺の主要道路沿いにナンキンハゼが植えられています。毎年この時期になると鮮やかな紅葉をして楽しませてくれます。先週末から街路樹がぼちぼちと紅葉をはじめこの週末はかなりいい感じになってきました。

昨日(2015年10月31日)の朝、山歩きに出かける前に自宅から少し離れたところにあるロータリーを中心に街路樹を撮影してきました。

人や車の映り込みをなるべく避けて撮影しましたがよく見ると人影がみえます。はっきり見えすぎて雰囲気がいまひとつ。霧が出ればもう少しよくなるのですが・・・

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2015年10月25日日曜日

小塩山オフロードバイクの谷

 小塩山北面の谷(通称オフロードバイクの谷)

昨日に引き続き今日(2015年10月25日)も小塩山を歩いてきました。小塩山のNTTドコモ電波塔の尾根を北へ下り、鵜の子谷源流に達した後再び登り返して通称オフロードバイクの谷を歩いてきました。

標高400m広場から谷をつめて行きます。池の谷へは行かず「オフロードバイク進入禁止」看板を左俣へと進みます。

すぐに涸れ沢となり傾斜が弱くなり谷が広がってきます。谷の斜面あちこちにバイクのタイヤ痕が目立ってきます。さらに登っていくと。
 オフロードバイク進入禁止

谷の上部にも「オフオードバイク進入禁止」の看板がありました。さらに登ると大暑山からの縦走路(ハイキングコース)に出ます。

その後ハイキングコースを大暑山へ向け歩いていくと大暑山山頂付近でオフロードバイクに出会いました。

競技車両(大暑山山頂付近にて)

驚いたことに山道を走っているオフロードバイクは保安部品やナンバープレートのない競技車両!JOTAGASのトライアルバイクではありませんか!

シリンダーブロックの形状からして水冷125-300cc程度?。2stのオイル(カストロの化学合成系2T?TTS?、植物油のR30とは違うような…)の焼けるにおいがいかにも競技用という感じです。

さすがに一般公道を自走してくるわけにはいかないようで西山団地グランドまでトランスポーターで運び、そこから山道へと乗り入れるようです。

私たちはというと西山団地のグランド経由で西山山荘へと下山しました。

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2015年10月24日土曜日

小塩山周辺散策

小塩山周辺散策
 
今日(2015年10月24日)も先週に引き続き小塩山の北面、鵜の子谷の源流の谷を歩いてきました。小塩山周辺の未踏路を中心に歩こうと先週から下調べをして歩きに出かけたのでありました。
舗装路へと進まず左の山道に入る

まずは登りからです。以前から気になっていた北春日町の登り口の左にある山道を登ることにしました。写真の舗装路の左にある山道へと進みます。

しばらく歩くと右手に民家がありその横を通り過ぎてさらに進むと前方にブルーシートが見えてきます。
ブルーシートの構造物がボーイスカウトのキャンプ場
 
近づいてみるとボーイスカウトのキャンプ場とのことで左手には炊事場もあります。今日は誰もいませんでした。しばらくは緩やかな斜面をまっすぐ進みます。
 しっかりとした登山道

少し進むと竹林になります。ここで少し踏み跡が分かりにくくなりますがそこを通り過ぎると斜面を左(南方向)に巻いていくしっかりとした道が現れます。
 通行止めのロープ(ではありません)

標高340m付近で登山道が右方向にカーブして北へ向きを変えるところに通行止めのロープのようにつるが張り出しています。黄色と黒に塗りたくなりますがとりあえずアンダーパスして進みます。

そのうちにいたるところで倒木が現れるようになり、場所によっては折り重なるように踏み跡をふさぎます。倒木を跨いだり、くぐったりして通りますが、ついにバリケードのような倒木の塊に出くわし登山道を進めなくなりました。
折り重なった倒木
 バリケードのように倒木が登山道をふさぐ
 
仕方なく登山道から外れてバリケードを通過します。バリケードを通り過ぎるとその後は植林された杉林となり倒木もなく斜面をフォールラインに真っ直ぐ登っていきます。するといつものヘアピンカーブに出ました。
ヘアピンカーブ

ここからは小塩山のアンテナ群めがけて林道(舗装路)を歩きます。NTTドコモ電波塔横のNの谷の資材置き場へ着きました。ここから尾根を北へ向けて降ります。
Nの谷の資材置き場
標高400m広場から上流を望む

先週歩いた鵜の子谷の源流400m広場に着きました。今日はこの谷をつめて行きます。谷筋を右に左に登っていくと標高470m付近の二俣でバイク進入禁止の看板に出くわします。
オフロードバイク進入禁止
 
今日は進入禁止看板を右俣へ進みます。このあたりから踏み跡がしっかりしてきます。さらに進むといくつか二股があり、最終的にはドラム缶の二俣へとやってきました。
 ドラム缶の二俣
 
 二股を右に進めば池ノ谷へ、左へ進むと大暑山からの縦走路と林道が合流する地点に出ます。池の谷にはネットが張り巡らされており今日は左へ進みました。
 
林道に合流したその後は林道をヘアピンカーブまで歩き、いつもの北春日町への尾根道をくだりました。
 
登りに使った登山道は長らく使われていない道のようで今後はさらに荒れていくものと思われます。しばらくは続けて登り踏み跡をつけていこうかと。
 
また先週の鵜の子谷歩きで小塩山の北面の面白さに目覚めて今日も行ってみましたがこちらはある程度人が入っているようでそこそこ踏み跡があります。
 
明日も天気が良さそうなのでまた小塩山北面の谷を歩こうと思っています。
 

2015年10月17日土曜日

鵜の子谷-小塩山

鵜の子谷林道入り口

今日(2015年10月17日)は朝から老ノ坂峠の西にある鵜の子谷を遡上し小塩山へ登ってきました。

昨年約30年ぶりに山歩きを再開、京都西山の小塩山から大暑山をゲレンデ(ホームグランド)として毎週のように歩いてきました。地図上にある道はもちろんのこと地図にはない山道を見つけ色々なシーンをイメージでして山歩きの技術、体力を身につけてきたのでありました。

ところが今年8月の西穂高岳「上高地―西穂高岳(日帰りピストン)」、また先月の八丁平からの下り「峰床山(鎌倉山と八丁平)」などで体のバランスが要求されるような岩稜歩き、崩落した不安定な登山道、また沢歩きで苔むして滑る岩の上などを歩くような場合、まだまだトレーニングが不十分なようで何度か怖い思いをしました。

先日西山の地図を眺めていると、小塩山の北面に沢歩きのトレーニングによさそうな谷が目に止まりました。Web上で調べてみると鵜ノ川源流の「鵜の子谷」という谷で、歩かれたみなさんの評判もそこそこ楽しめるとのこと。昨日下調べをして今日遡上を決行したのでありました。

自宅近くのバス停から8時台後半の亀岡行バスに乗ります。沓掛IC、老ノ坂峠を過ぎ、峠西口で下車します。

普段この停留所で降りる人はほとんどないのでしょう、「次止まります」ボタンを押したのですが運転手さん停留所をオーバーランして停車されました。
峠西口のバス停
 
峠西口バス停から国道9号線を亀岡へ向け下ります。路側帯がほとんどなくガードレールギリギリに歩いても至近距離を通り過ぎていく車の風圧をもろに感じます。下り坂の直線道でかなりスピードの出るところで歩いている本人も怖いですが追い越していくドライバーも怖い思いをしていることでしょう。
ここ(旧道)をまっすぐ進みます

バス停から約150mほど下ると旧道が現れます。国道の路側帯から旧道へ進みそのまま歩きます。両端から草が張り出してきていて、「痛っ‼」 ・・・ 何気なく触った草が野ばらでした。朝からついていない↷

旧道をしばらく歩き、鵜ノ川にかかる橋を渡ると鵜の子谷林道の入り口に着きます。ここでストックを取り出し山歩きモードへ。
鵜の子林道入り口
 
入口ゲートを乗り越え林道を進みます。入口からしばらくは砂利道で轍やタイヤの跡もありますが10分も歩くと膝上まで伸びた草が林道を覆い地面が見えなくなります。
膝まである草が林道をおおう

この草原を過ぎるとタイヤ痕はなくなります。かわって鹿の足跡が多数出てきます。そのうちに道もぬかるみ、苔むしてきてとても林道(車道)とは思えなくなってきます。
 林道にかかる橋
 
林道入口から左岸に道がついていますが途中に橋があり林道後半は右岸を歩きます。さらにこのまま進んんで林道終点(車が通らなくなって久しいためかどこが終点かわかりにくいですが谷が二股になっているところ)を右俣へ進みます。
林道終点の大岩

林道終点の大岩を右手に見て通りすぎます。その後沢を何度も渡渉し、薄い踏み跡の残る崩れた巻き道、時には沢の中などを歩き遡上していきます。

踏み跡の途切れるところに目印は全くありません。自分でルートファインディングをして歩かなければなりません。基本的には沢筋の両岸どちらかを歩けばいいのですが時には沢の中を歩くことも・・

しっかりとした踏み跡のど真ん中にたまにテープが見られますが全くあてにはなりません。
自転車の放置場所(皆さん載せておられるので・・・)

自転車の放置場所を通り過ぎます。道が間違っていない証拠。
標高360mの二股(上流から下流を見る)

標高360mの二股は皆さんが書いておられるように分かりにくい!杉の幼木が岸に密集していて沢筋を見通しにくく二股の左俣への降り口を見つけるのに多少時間がかかりました。
標高400m広場(下流方向)

標高360mの二股からは傾斜も緩やかとなります。やがて谷筋が90度右へ曲がったところにちょっとした広場が現れます。ここでしばし小休止。

この400m広場から沢筋をつめて行くと大暑山からの縦走路と林道の出会へ、左岸の支尾根に取りつき尾根筋を登っていくと・・・
400m広場から左岸の支尾根への取りつき
支尾根を登る
 
支尾根にはかなりしっかりとした踏み跡があります。どこを歩けばいいのか悩まなくよくなりますが、結構登りがきつです。
Nの谷の資材置き場

右手にNの谷のネットが見えてきてやがてNTT電波塔にたどり着きました。結構疲れました。体幹(インナーマッスル)にかなりの疲労感があります。

ブラックサンダーを1つ食べ10分ほど休憩、いつもの北春日町を降り自宅へは13時前に帰りました。
 
 
 


2015年10月10日土曜日

小塩山山頂運用



小塩山山頂近くの木につるされている標識

今日は久々に雨にも降られずいつもの裏山を歩いてきました。

シルバーウィーク中の9月20日に鎌倉山-八丁平-峰床山に登って以来「4500円の運試し」の影響により約3週間にわたり山歩きがご無沙汰になっていました。

この間ランニングは続けていたもののどうも体調がよくありません。やはり数十分単位のランニングより数時間の山歩きのほうがダイエットや体調の維持には有効なようです。

北春日町のとりつきから山道を歩きます。久々の山歩きで足腰が弱っており思うようなペースで歩けません。大暑山からの縦走路に出て林道と合流後、小塩山山頂へ向かいます。

アンテナ群を横目に見ながら淳和天皇陵へと進み、御陵の階段を上がって「立ち入り禁止」とある看板の先の御陵内へは進まず横へ足を踏み入れます。

天皇陵の石垣に沿って外周を歩いていくと道端に小さなケルンとともに小塩山の山頂標識が見えてきます。

 小塩山山頂標識
 
今日はこの山頂標識の横でCB運用をしました。どのチャンネルもノイズレベルや海外局の混信が強く、一番ましな8chでCQを出すとすぐにナラAI46局からのコールバックがありました。ICB-87Rを入手後テスト運用ではキョウトAA347局とのQSOはありましたが、私(キョウトAL330)のCQに対しての初めて応答いただいた局であります。関西OAMのご紹介などいただきました。

今日のログ

合法CB無線
OP:キョウトAL330 京都市西京区小塩山移動 ICB-87R
2015/10/10 10:34 8ch ナラAI46 53/52

ちなみに小塩山の山頂標識のある場所、意外と知られていません。以下に今日のGPS軌跡を示します。長時間とどまっているのがその場所です。下りの林道から外れているのはP604への下見のため歩いたところ。尾根を1本間違えていますが・・・



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2015年9月27日日曜日

ICB-87R送信テスト

一番ノイズレベルの高い7chでもS1

今日はICB-87Rの送信テストを行いました。

自宅で27055kHzを中心に250kHz幅でPERSEUSのタイマー受信をセットして昨日と同じ北春日町に向かいます。

ロケに到着後、電源を入れ各チャンネルの受信状態を大まかにチェックしますがロッドアンテナを全て伸ばした状態でノイズレベルは7chでやっとSメーターが触れる程度、他のchは全くメーターが動きません。ちなみにアンテナを全部収納した状態では非常に感度が悪くボリュームを最大にしても内部雑音が聞こえるのみ。

まず、ロッドアンテナを全て伸ばした状態でアンテナを立てて(垂直にして)送信します(Full size Vertical)。1chから8chへ数秒間テストパターン「本日は晴天なり(2回)」を送信します。

続いてロッドアンテナの長さを半分にしアンテナを立てた状態で(下図:撮影のためアンテナは斜めになっています)先ほどと同じテストパターンを送信します(Half size Vertical)。
Half size Vertical

最後に垂直偏波と水平偏波の違いを知るためにアンテナを寝かせた状態(地面に対して平行)で同じテストパターンを送信します(Full size Horizontal)。自宅方面にアンテナ先端が向くのでなく直角になるようにします。

送信終了後自宅に戻りPERSEUSの受信データを解析しました。
PERSEUS生データ
 
PERSEUSのMHoldをOnにしてPeakScrでそれぞれのchの受信強度を測定します。得られたデータを以下の図にプロットしました。

受信条件
受信地:送信地から直線距離で約1.3km
アンテナ:ALA1530(10mH)を4分配
受信機:PERSEUS
ICB-87R送信テスト結果
 
結果としてはロッドアンテナを全て伸ばした状態でアンテナを垂直にして送信した場合が一番信号強度が強くなりました。続いて強かったのがアンテナを半分の長さにして送信した場合。アンテナを寝かせた状態ではかなり受信強度は弱くなりました。

ちなみにアンテナを全て伸ばした状態と半分では平均1.4dB、垂直と水平では平均6.2dBの差が生じています。

ICB-87Rの最終型は出荷前の調整の際にその長いロッドアンテナをもてあまし全部伸ばさずに調整されたとのうわさを目にしたことがありますが、今回のテスト機ではアンテナを全て伸ばした状態での実効輻射電力が強く出ているような結果となりました。

垂直偏波、水平偏波については地上波による交信をイメージしてテストしたもので電離層反射波の場合ではまた違った結果がでるのかもしれません。

また各チャンネル間の出力の違いは設計段階でのものか、経年劣化によるものかはこの結果からはわかりません。

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2015年9月26日土曜日

北春日町(ICB-87R受信テスト)

 写真は京都縦貫道の側道から見た比叡山

今日はICB-87Rのテストがてら運用に都合のいいロケーションをさがしに出かけました。

いつも西山に登る際には京都縦貫道の側道を通り、大原野ICと北春日トンネルの間から山道に入ります。その側道を歩いていて思うのですが非常に見晴らしがいい。京都市内はもちろんのこと京都盆地を取り巻く山々、南は奈良県北部まで・・・

見晴らしがいいと言うことは運用に都合がいい訳であとはノイズレベルの問題となります。今日はここでテストしてみることにしました。ICB-87Rを取り出してワッチ開始。1-8chでノイズはほとんどありません(Sメーターは振れず)。後期型は飛び受けが悪いとのうわさを耳にしますがそのためか?

しばらくワッチしているとヒラカタIC171局とヒラカタNS818局がテスト交信しているのを受信。8chから1chへ順に送受信の確認をしておられるようでした。それぞれは59で交信できている模様。しばしCBLをします。

こちらで聞いていると2局の信号強度は若干違うようで、一方は57CBL、片方は53CBL。Sメーターもちゃんと振れています。

このロケーション、ノイズもなく車でアクセスできて周囲に民家がないのもいいですね。

明日は自宅でPERSEUSを予約受信にて送信テストを行う予定。

 音羽山から鳶峰山
手前は天王山、奥には若草山がみえているはず

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2015年9月22日火曜日

ICB-87R(4500円の運試し)

 ソニーのCBトランシバーICB-87R

昨日京都のマルツパーツに出かけてきました。キョウトAA347さんのもとへ嫁入りしていた9R-59DSが不調とのことで先週引き取ってきて、その修理がてら手元にある59DSの2号機もデジタル化すべくパーツを買いに出かけたのでありました。

ケースやその他のパーツを集めてレジに行くと、レジカウンターの真下に「ICB-87R ジャンク品 4500円」と3台が売られているのが目に飛び込んできました。

非常に微妙な価格設定です。本当にジャンク品なら2000円くらいが適当な値段だと思いますが、それなりに動作するなら最低でも10000-15000円程度の価値はあるように感じたからです。

シリアルナンバーを見てみると3台のうち2台は続き番号、残る1台は100番程度若いものの3台は同じロットではないかと考えられました。

うーん ・・・これを買うかどうか・・・ 1時間半悩んだ末に結局続き番号のうちの1台を購入しました。

急いで自宅へ帰り動作チェック。電池を入れてスイッチON。・・・ノイズが聞こえてきました・・・受信部はどうやら生きている様子。

続いてNRD-545で27MHz帯を受信しICB-87Rの送信ボタンを押してみます・・・+60dBオーバー・・・マイクに向け話してみるとひずみながら自分の声が聞こえます。波もでているみたい。

完動品かどうかは別にして最低限の動作はしているようです。  これで4500円は安い!!! とキョウトAA347さんへ連絡すると「(残りの)2台とも買っといてください!!」とのこと。すでに帰宅して(一杯引っ掛けて)いるので今日は無理と返信。

一夜明けてキョウトAA347さんに連絡するも買いにいった様子がないので夕方になり再び寺町へと出かけてきました。

ドキドキしながら阪急の河原町から急ぎ足に藤井大丸横の出口を経て寺町通りへと向かい、コンビニの2階にあるマルツパーツへの階段を上がっていきました。店内に入りレジのもとへ一目散。

ありました!!!  残る2台はそのままで売られています。

今日は悩むことなくすぐに購入。これまた急いで帰宅して昨日にもまして綿密な動作チェックを行います。

至近距離でそれぞれ3台は交信可能。変調もしっかりとしています。1台を息子に預け、もう1台を持って近くの公園まで出かけます。住宅地で約200m離れての交信でもRS59、Sは+40オーバー!! 3台とも全てのチャンネルで同じように動作しています。やったー!!

27MHzのCB無線(市民無線)ですが免許不要で0.5Wの出力。市街地でも1-2kmは十分に届き、見通し距離なら数十kmも楽に飛びます。また夏場Eスポが出れば日本全国とも交信ができることから一部のマニアにはいまだに根強い人気ある無線機です。

残念ながら最後まで販売を続けてきたソニーもこのICB-87Rの販売を2006年8月で終了して現在は中古品が市場に出回るのみ。
 ソニーのカタログ
2006年7月(上)にはICB-87Rの掲載はあるものの9月(下)にはカタログ落ち
 
今回久々に電子工作をすべくパーツを買いに出かけたのですが思わぬ出物にでくわし、また新たな分野へと足を踏み入れることとなりました。家内の視線が非常に痛いです。
 

2015年9月21日月曜日

峰床山(鎌倉山と八丁平)

 高層湿原の八丁平
(上高地ではありません京都市内です)

昨日(2015年9月20日)京都北山(鎌倉山、峰床山、八丁平)へハイキングに出かけてきました。

自宅を8時15分ころ出発。国道9号線、堀川通り、北山通り、国道367号線を走り滋賀県の坊村には9時45分ころ到着。トイレをすませ、身支度をして9時50分頃駐車場を後にしました。

坊村の駐車場から安曇川の左岸に沿って舗装路を歩いていくと2-3分ほどで鎌倉山の登山口に着きます。
 鎌倉山登山口

道標に従って尾道へと進みます。5分ほど急な登山道を登ると「城の鼻」という支尾根の先端に出てさらに急な登りを20分ほど歩くと林道(車道)に出ます。このあたりはモミジ平と呼ぶそうですがあたりはまだ紅葉のかけらもなく青々とした緑につつまれています。林道をクロスして山道へと進みます。
 モミジ平
モミジ平からは登りも緩やかとなり快適に歩けます。途中ぶな平を10時35分に通過、さらにどんどんと高度を上げて行き山頂近くになると多少傾斜も強くなりますがそれでも11時10分に鎌倉山の山頂に到着しました。

 鎌倉山山頂(950.5m)

鎌倉山山頂はあまり視界は開けず武奈ヶ岳が木々の合い間からのぞき見える程度。水分補給をして早々に後にします。
 鎌倉山山頂から武奈ヶ岳を望む

鎌倉山から峰床山へは尾根筋の縦走路を歩きます。まず出くわすのが千年杉。

比良の天狗杉(打見山、キタダカ道)と比べると若干小ぶりですが立派な大杉。残念ながら写真ではその迫力は伝わりにくいかと思います。
 千年杉

千年杉を過ぎその後も尾根筋のアップダウンを歩きます。このあたりの尾根筋は奥比良の縦走のようにどこでも歩けてしまう踏み後の分かりにくい道です。

要所要所にはピンク(赤)のテープがあり道に迷うことはありませんが家内は何度かあらぬ方向へ進もうとしていました。
 鎌倉山から峰床山への縦走路

12時ちょうどにオグロ坂峠に到着。古来から続く鞍馬街道の中間地点とのこと。峠を北に向かえば久多から日本海へ、南へは六尺道を通り八丁平、さらには京の都へ。私たちは西の峰床山へ向かいます。

 オグロ坂峠
 オグロ坂峠の地蔵
オグロ坂峠からまたしばらくはアップダウンが続きます。だんだんと周囲が明るくなってきて気持ちのいい道を行くのですが風が強く若干肌寒い。
 峰床山の頂上も近い
 峰床山山頂(969.9m)

12時30分に峰床山の山頂に到着しました。愛宕山、比叡山、花背峠、小塩山など京都の名だたる山を一望できます。また北西に目を向けると山また山の丹波高地が見えます。
 峰床山山頂から丹波高地の山々を望む

峰床山山頂で水分補給と写真撮影。休憩もそこそこに八丁平へ向け降り始めます。クラガリ谷を経て八丁平へは12時57分着。ここで昼食休憩としました。


昨年何気なく比良の地形図を眺めているとその横(西方)の山の頂上付近で、池ではなく湿原を示す記号に目がとまりました。調べてみると関西では珍しい高層湿原とのこと。このときに初めて八丁平を知りました。


話変わって、これまた昨年「ノルウェイの森」を読み返す機会がありました。京都の北山の奥深くで直子が自殺するまで暮らしていた「阿美寮」、またそのなかに出てくる高原での場面を読んでいると、私の頭の中では峰定寺から八丁平あたりの光景が重なり、今年になってどうしても八丁平をこの目で見たいという衝動にかられたのでありました。

念願かなって来てみるとススキがたなびくようなカラッとした高原ではなく高層湿原、多少湿った印象で「ノルウェイの森」を読んで私がかってに思い描いてイメージとはちょっと違ったものでした。

それでも京都市内でありながらハイヒールでは踏み入ることの出来ない自然に取り囲まれた非日常の風景には感激でした。

 八丁平を歩く奥様

昼食休憩のあと八丁平を反時計まわりに約半周歩き、中村乗越へ向け登ります。

 中村乗越

中村乗越から伊賀谷(江賀谷右俣)へ向かいます。中村乗越には「(2013年の)台風18号で登山道が崩落しているため中村への下山は出来ません。」といった旨の警告文が掲示されていましたがかまわず進みます。確かにあちこちと登山道が崩れ荒れています。慎重に降ります。

 江賀谷右俣の出合

江賀谷右俣の出合からは沢を何度も渡渉しながら下っていきます。ここも結構荒れて踏み跡が分かりにくいですがピンク(赤)のテープをたよりに下っていきます。最後までストックをしまうことなく歩きました。

 渡渉地点
中村への林道は右岸にあります。登山道は左岸です。2年前までは林道終点の大岩の地点に左岸と右岸を結ぶ橋があったそうですがこれも台風18号によって流されたとか。何処かで渡渉しなければなりません。私たちが渡ったのは上の場所。

 江賀谷の道標
葛川学校
林道を降り、葛川学校を過ぎ中村からは国道367号線を歩き14時50分に坊村の駐車場に着きました。鎌倉山、峰床山、八丁平までは快適な道だったのですが江賀谷の下りの道の悪さにはうんざりでした。

自宅までの帰りは湖西道路、名神高速、京都縦貫道経由で16:20頃たどり着きました。

タイムテーブル
坊村駐車場         9:52
鎌倉山登山口       9:54
城の鼻           10:00
モミジ平          10:19
ぶな平           10:35
鎌倉山           11:09-11:14
千年杉           11:24-11:26
オグロ坂峠        11:59-12:04
峰床山           12:29-12:36
八丁平           12:57-13:12
中村乗越          13:29
右俣出合          13:44
葛川学校          14:34
坊村駐車場         14:50

GPSデータ
時間         5時間
累積標高差    1154m
沿面距離      13.63km

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