2016年1月1日金曜日

BeverageアンテナとTDDFアンテナ

本年もよろしくお願いいたします。
旧年中は大勢の皆様方に当ブログをご訪問いただき誠にありがとうございました。本年も引き続きさまざまな趣味の世界を綴って参ります。
 
まず今年最初のお題はTDDFアンテナ。シエスタ氏が昨年4月にアップされたTDDFアンテナを2015年秋のびわ湖ペディションで試して非常にいい感触を得ました。その第一報については先日のブログに掲載しましたが今日のブログではもう少し詳しく報告したいと思います。
 
 びわ湖ペディションでのビバレージアンテナとTDDFアンテナの受信音をいくつか比較してみたいと思います。ともに受信機はPERSEUSでCOL氏と私が別々に記録したものをそれぞれ再生しwmaファイルで録音しました(ビバレージの受信音はCOL氏のご好意により提供いただきました)。
 
まず夕方18時のKDIAのID部分です。
やはりビバレージで信号強度が強くSINPOで35232、TDDFでは信号は弱いもののノイズはさほど気にならず25332。それでも十分に内容が聞き取れるレベルです。これがALA1530なら音にはならずキャリアが辛うじて拾えるところかと。
 
続いて23時のKFOXのID部分。
この日はお空の状態が少し荒れていました。どちらのアンテナともに音になっていて信号の強さはほぼ同じ。ただしノイズの性状が違います。ビバレージでノイズが荒く、TDDFでノイズが細かく聞きやすく感じます。
 
COLさんにもお聞きいただいたところ「気仙沼で経験した、夕方はビバレージがDFに優勢、夜はビバレージとDFが同格か、時にDFが優勢という現象を思い出します。」とのこと。
 
このノイズの性状、受信時間による受信状況の違いを思いつくままに考えてみることにします。以下に1650kHzにおける300mビバレージと21mTDDFアンテナのシミュレーション結果を並べてみました。
 
ビバレージとTDDFの特性比較;黒は垂直偏波、赤は水平偏波
(TDDFではアンテナ条件を最適化できていなく指向性が乱れています)
 
まず利得の面を見てみます。ビバレージで絶対利得-1.23dBiでTDDFではなんと-40.33dBiと約40dB低く、普通に考えれば使い物にならないように思えます。が逆にこの利得のなさが余計なノイズを拾いにくくしている可能性が考えられます。(実際にはFLG100のアンプによる18dBの増加と4分配による6dBのロスがあり最終的にはビバレージ比で約-30dB弱、分割せずに直接比較していたとすれば-20dB強の差に縮まります。)
 
次に指向性の面。ともに打ち上げ角が低く、指向性も鋭く(TDDFで多少ブロードですが)DX向きのアンテナであることには変わりないのでしょうが、TDDFで水平偏波に対する指向性がビバレージに比べ若干少ないように思えます。これが夕方と夜の伝搬の偏波面の違いを感じているのでしょうか?
 
またスモールループとして動作するTDDFとワイヤーアンテナであるビバレージの磁界成分、電界成分に対する感受性の違いがノイズの違いになっているのかもしれません。
 
今回のペディションではビバレージアンテナ、TDDFアンテナそれぞれに優れた特性を実感できました。どちらがより優れたというものではなく今後のペディションでは同時に設置することでそれぞれのアンテナの特徴を生かしより多くのDX局を受信していきたいと思います。
 
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