図1
図1は51S-1と自作プリセレクターです。
以前のブログで中波コンバーターを報告いたしました。FR-101の中波受信や51S-1の中波帯の受信性能を向上させることを目的として使用してみて、性能はそこそこ満足できる結果だったのですが51S-1に使用する場合使い勝手が悪く、結局その後51S-1用にプリセレクター作製へと至りました。
1) 長波帯はローパスフィルター(LPF;カットオフ周波数450kHz)
2) 中波帯を2分割しローバンドは並四コイル、ハイバンドはトロイダルコイルの複同調
3) おまけとして短波帯のローバンドをトロイダルコイルの複同調で追加
としました。今日のブログではプリセレクターの長波用のローパスフィルター部分について報告します。
長波用LPF
長波帯のLPFは大進無線の作製記事「長波受信用、500KHZ LPF ローパスフィルターの作り方」を参考にマイクロインダクターとセラミックコンデンサー(定数はそのままに)を用いて作製しました。出来上がったLPFの特性を測定してみると・・・・・うまくいきません。
まずカットオフ周波数が予定の500kHzではなく700kHzとなり、また減衰曲線も非常になだらかとなりLPFとしての効果がほとんどありません。後ほどわかったのですがセラミックコンデンサーの静電容量をデジタルテスターで測定したところ、表示の値より最大40%少なかったのでした。
当初は原因がわからず、とりあえずはLの値を少し大きくして(22uH→33uH)再度作成してみました。その特性が図2の上段です。カットオフ周波数は500kHzにまで下がったものの、減衰曲線はなだらかなままです。51S-1に接続して長波帯で使用してみましたがLPFを入れない場合と比較して相互変調波が多少は減ったもののまだ何局かNHKが聞こえてきます・・・・・更なる回路の検討が必要なようです。
LCを用いたフィルタ回路にはバタワース型とチェビシェフ型の2つの回路がよく使用されます。バタワースは減衰曲線がなだらかなものの通過帯域のリップルが少なく平坦に近いという特徴があり、逆にチェビシェフでは減衰曲線を急峻にできるものの通過帯域にリップルが生じるという特徴があります。
今回は急峻な減衰特性を得たいのでチェビシェフ型を採用しました。バンドパスリップルは1dB、カットオフ周波数450kHzとして620kHzで40dBの減衰を得られるように計算しました。計算はhttp://gate.ruru.ne.jp/rfdn/Tools/RFtools.htmのお世話になりました。計算結果を図3に示します。カッコ内が計算値でその上下に大きく書かれたものが実際に使用した値です。
図3
出来上がったLPFの特性は上の図2の下段の如くとなり通過帯域内でリップルが目立ちますが急峻な減衰曲線が得られ、中波帯(550-1600kHz)で40-60dBの減衰が得られています。長波帯での相互変調波は観察されなくなり、各地のビーコンを始めR.
Rossiiの279kHや153kHz、JJY60kHz、40kHzなどが受信できるようになりました。続き→51S-1用プリセレクターの作成② 中波用プリセレ
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