先日のブログではP社とS社の6DC6の特性面ので違いを書きました。どうしてこのような違いが生じてきたのか今日のブログで考察してみました(私の憶測によるところを多く含んでいます。単なる小説としてお読みいただければ幸いです)。
それには真空管製造の終焉の歴史をひもといていく必要があるようです・・・。
20世紀初頭に発明された真空管も1970年代後半になるとトランジスターをはじめとする半導体にとって変わられ、これに伴い製造も終焉を向かえます。日本では最後まで生産を続けてきた松下電器の真空管工場も1979年7月31日に閉鎖されましたし、アメリカでも1980年代までSylvaniaとGEが製造を続けますが、80年代初頭にはそのSylvaniaも真空管部門を含む電子部品製造部門をPhilips社に買収されてしまいます。
Philips社は1980年初頭にはヨーロッパでの真空管製造を中止し、この後はアメリカSylvaniaから買収した真空管部門で、特に軍向けの保守用真空管の生産を1980年代後半まで続けるようになりました。がこの買収後の製品は真空管末期の少量多品種製造のためか、かつての名門Sylvaniaの面影はなく、特性にバラツキが多くまた品質も良くないというのがもっぱらの評判であったとのことです。
このあたりの話は「平成16年1月 ラジオ工房掲示板の記録」で語られています。
ここで手持ちの6DC6を見てみます。Sylvania製の6DC6は1980年の39週生産のもので、おそらく真空管部門が売却される前の製品なのでしょう。Philips ECGの6DC6はいずれも1982年A6期の製作のもので、Philips社に買収後に生産したものではないかと考えられます。買収前後のおそらく同じ工場で生産されたであろう6DC6ではありますが、1年あまりの生産時期の違いが名門の面影を持つか否かの分かれ目になったというのは面白いところです。
現在ネットオークションやウェブショップで6DC6が1本1000円程度から2500円程度で多数販売されていますが、1000円程度で出展されている販売店のほとんどで真空管メーカーを指定ができない一方、2500円程度で販売されている6DC6はSylvaniaやRCAといったメーカーが指定してある場合が多いです。中にはPhilips ECGを指定してある販売店もありますが・・・。どうやら販売店のみなさんもこの都市伝説はご存知の上で価格設定しておられるようですね。
ところでP社の6DC6ですがストックとして眠らせてしまうのも忍びないので、手持ちの2台の9R-59DSのRF-AMPに使用してみました。6BZ6や6CB6のかわりにでもという気で使っていますが59DSで使う限りはS社のものとはそう大きな違いを実感することはありません。昨年秋には59DS用にわざわざP社の6DC6(A11/85)をさらに4本(@500円)購入しました。廃品利用ということで(P社に失礼かな?)
「Wコールがききたくて」総合索引へ
6DC6は持っていないので、揃えてみます。
返信削除RCAの球って、ヒーターリップルがプレート側にでてくる球が多いと経験上感じてます。
球の性能バラツキは±15%あるのが真空管規格なので、 それも含めて面白いと思います。
では、また。
こんにちは。
返信削除お返事が大変遅くなってすみません。今朝コメントいただいているのに気がつきました。
性能バラツキが±15%となると規格の上下では30%違ってきて、8000μモーの6DC6だと2400の差がでることになりますね。うーん。なるほど・・・メーカーもその規格を意識しての性能なのかもしれませんね。
私のこの記事は他人の話を寄せ集て作製しいますので信ぴょう性はあやしいですが、週刊誌の読み物感覚でお楽しみいただければなによりです。